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185号 さよならだけが人生さ 高田貴美彦

2018/03/05
篠山市の学習塾 レオ

先週の春の嵐はすごかったですよね。
ちょうど、今の季節に思い浮かぶのが次の漢詩。
中国、唐の時代の武陵(ぶりょう)という詩人の五言絶句(ごごんぜっく)。
五言は、一行が五文字。絶句は四行の漢詩のことをいいます。

歓酒      
勧君金屈巵 
満酌不須辞 
花発多風雨 
人生足別離 

酒を勧む(さけをすすむ)
君に勧む金屈巵(きみにすすむ きんくつし)
満酌辞するを須いず(まんしゃく じするを もちいず)
花発けば風雨多く(はなひらけば ふううおおく)
人生別離足る(じんせい べつりたる)

書き下してみます。

酒を勧める
君にこの金の杯(さかずき)を勧(すす)める。
このなみなみと注(そそ)がれた酒を断ってはいけない。
花が咲くと雨が降り、風も吹いたりするものだ。
人生に別れは当然のことだ。

作家の井伏鱒二(いぶせますじ)さんのが次のように訳して特に最後の二行は聞いたことがある人も多いと思います。

この杯を受けてくれ
どうぞなみなみ注(つ)がしておくれ
花に嵐のたとえもあるぞ
さよならだけが人生だ

人との別れを詠(よ)んだ詩で、人生には別れがつきものだと、なんとなく切ない感じがする一節です。
そして、同じく作家の寺山修司(てらやましゅうじ)さんがこの井伏さんの訳を受けて次のような詩を作りました。

「さよならだけが人生ならば
また来る春は何だろう
さよならだけが 人生ならば
人生なんか いりません」

本当は、武陵の漢詩はこんな感じだったのかも知れません。

  僕も、2月に高校3年生を送り出し、中学3年生は11日の臨時授業が最終授業となります。
学校の先生方は、ほぼ3年に1度卒業生を送り出されますが、こちらは毎年。
同時に、新入生の体験学習をしていますので、出会いと別れが次々と目の前で起こります。

  大学生講師も、高校生コースを卒業してから長い間、講師を務めてくれた人たちが社会人や大学院生として社会に出ていきます。
東京工業大学大学院へ進学する湯川君、社会人として4月から勤めに出る、花本君・小島さん。
長い間、ありがとうございました。
さびしさはありますが、4月から大学に進学する新しい講師もたくさん迎えます。

さよならだけが人生ならば、人生なんかいりません。

僕たち、常任講師もまた新しい若い人たちと一緒に仕事ができて、新鮮な気持ちになれる時です。

*前号はこちら==>http://www.sc-leo.co.jp/blog/595.html