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広瀬陽一のI am a rocker / 片岡義男

2017/08/28
篠山市の学習塾 レオ

先日レオさんから年代物のビートルズの詩集をもらいました。
著者がジョンレノンにポールマッカートニー!
その下には片岡義男 訳とあります。

1974年『白い波の荒野へ』で小説家としてデビューした片岡義男は、翌年『スローなブギにしてくれ』で第2回野性時代新人文学賞を受賞し、直木賞候補となります。
1970年代後半からは角川文庫を中心に多くの小説を発表、
また「ポパイ」を代表とする男性ファッション誌にアメリカ文化や、サーフィン、ハワイ、オートバイをテーマとしたエッセイを発表してきた
僕ら世代にとっては、まさに青春を代表する作家のひとりです。

高校生の頃の僕は、村上龍や村上春樹と並行して、この片岡義男にハマりました。
前者ふたりの独創的な情景描写(それでいてすごくリアリティーのある)とは対照的に、
片岡義男はただそこにあるものを淡々と描いていきます。
物語の起伏も乏しく、高校時代に初めて彼の作品に触れた時は、
これでは物語として成立しないのでは?と思いました。

角川から出ていた彼の文庫は、背表紙が赤の白抜き。
部屋の本棚の一角がどんどん赤くなっていくのを見ては自己満足にひたっていました。
基本的には短編物が多く、その中でお気に入りの作品もあったのだと思いますが、
今ではほとんど記憶していません。

その中で『ボビーに首ったけ』という作品だけはかろうじて覚えています。
主人公が、高校生のバイク好きということで感情移入したかったのかもしれません。
ある日 知らない女の子から手紙が届いて…
進路のことで親とケンカして、最後はバイクで事故して―
どこかつきはなしたような文体で淡々と場面が展開していきます。
けれども決して冷たい印象は受けない。
これが彼の作品の魅力ではないかと勝手に解釈しています。

片岡義男の作品のいくつかは、青空文庫で読めますのでリンクを貼っておきます。
興味を持たれた方はぜひ読んでみて下さい。

それではまた。ごきげんよう。

*前号はこちら==>http://www.sc-leo.co.jp/blog/520.html